田原総一朗です。
11月30日の「朝まで生テレビ!」は、
外国人政策について議論をした。
先の総選挙では、
参政党が「日本人ファースト」を掲げ、
大きく躍進した。
その背景には、
日本で急速に増える、
在日外国人への不安がある。
人材不足を背景に、
政府がご都合主義で発足させた、
外国人技能実習制度は罪深い。
言葉や文化の違いへの
サポートがなかったり、
また、劣悪な労働環境から、
実習生が逃走したり、
犯罪を起こした例もある。
外国人との共生は、
これからの社会では
避けては通れない。
政府や自治体による
外国人への対応を、
考えていかねばならない。
さらに、当然ながら、
外国人への排斥や差別は、
決してあってはならない。
この「朝生」収録前に、
折しも話題となっていた、
Eテレ特集「フェイクとリアル
~川口 クルド人 真相~」を見た。
クルド人とは、
トルコの少数民族だ。
近年エルドアン大統領が迫害を強め、
国外に逃げ出すクルド人が増え、
「国を持たない最大の民族」
とも呼ばれる。
日本では川口市、
蕨市近辺に多く住んでいるという。
番組では、
クルド人に関する投稿が、
どのように作られ、
拡散したのか、
タイムラインに沿って、
丹念に解析している。
ある時、病院前に、
ケガで搬送された仲間を心配し、
多くのクルド人が集まったことが、
「クルド人の暴動」だと
拡散された。
その後、ことあるごとに、
クルド人の危険な運転などの
動画が投稿され、
多くの閲覧数を獲得する。
唖然とするのは、
数々のフェイク動画だ。
生成AIで作られたと思われる
クルド人たちが、
「日本人は川口市から出て行け」
というプラカードを持った動画は
138万人閲覧。
こうした投稿が火を点け、
「クルド人出て行け」
というデモが始まる。
クルド人問題に詳しい
弁護士によれば、
川口でヘイトスピーチを
行っている団体は、
もとは川崎で活動していたが、
ヘイトスピーチに刑事罰を科す
条例が川崎市で制定されたことで
川口に流れてきたらしい。
驚いたのは、
投稿している人たちへの
インタビュー映像だ。
ある人物は、
入院中のベッドで、
呼吸器をつけた自分自身を撮影し、
「クルド人は絶対許さない」
というテロップをつける。
750万人閲覧。
入院の原因は、
クルド人とはまったく
関係ないという。
しかし、素直に見たら、
クルド人と何かあったとしか、
思えないだろう。
なぜこのような投稿をするのか。
彼は、
「多少インプレ(閲覧数稼ぎ)を
やらなければ」と、
何の罪の意識もなく語る。
こうしたほうが、
「絶賛される」のだという。
これはフェイク動画ではないが、
明らかに観る側の誤解を狙う、
ある意味、
より悪質なフェイクだと思う。
僕は、誰もが情報を
発信できる社会は
すばらしいと思う。
しかし、何か大きなズレ、
歪みが起きてはいないか。
番組で取材した大学教授は、
「アテンション・エコノミーの時代」
だと語っていた。
彼らの動機の背後にあるのは、
注目を集めたいという感情であり、
「今、皆がジャーナリストに
なりたがっている。
これまではマスメディアが
ジャーナリズムを独占してきたが
彼らはそれが『嘘ばかりだ』と
思っている」と話していた。
僕は彼らに、
「ではあなたは、
嘘を流していないのか」と問いたい。
クルド人への差別を煽り
彼らを追い込んで行けば、
それが本当に犯罪を生む
要因になるかもしれない。
50年以上、
ジャーナリストを続けた者として
言わせてもらえば、
アテンション欲しさに
敵意を煽るような状況も、
そうした欲求に振り回されて
いる人たちも不幸だ。
恐ろしかったのは、
先の人物が「川口自警団」と称して、
夜の街をパトロールしていることだ。
関東大震災の時、
「自警団」と称する市民が、
多くの在日朝鮮人を殺した
史実を忘れてはならない。
「在日朝鮮人が暴動を起こす」
というデマが流れたのである。
デマはごく普通の人を、
暴走させる。
そして今、SNSには、
デマが溢れている。
今年最後のメルマガです。
一年間、読んでくださり、
ありがとうございました。
みなさん、
よいお年をお迎えください。